クモネットのみなさん クモの採集データをご提供いただけないでしょうか. 対象種は次の6種です.マメイタイセキグモ,ムツトゲイセキグモ,アカイソウロウグモ,スズミグモ,コケオニグモ,ミヤシタイソウロウグモ. ご提供いただきたいデータは,採集地点をピンポイントで特定できるもので,緯度経度が分かればベストですが,○○市△△町××といった字単位の住所データでも結構です.住所はわからないが,地図上で採集地点を落とすことができるという場合は,グーグルマップ上でその地点を右クリックして,出てくるメニューから この場所について を選ぶと上のバーに緯度経度が表示されますので,これをコピペしていただければ緯度経度データとなります. 該当種についてこれまでに採集地点を特定できたデータは次のファイルにあります.これらのデータと重複しても何ら問題にはなりませんので,重複についてチェックされる必要はありません.  http://www.kakureobi.sakura.ne.jp/data.xlsx ご提供いただけるデータがございましたら,次の形式で谷川宛にメールでお送りください. クモの種類,採集地点(緯度経度か詳細な住所),採集年月日,同定者のお名前 【背景】  現在,東大生物多様性研究室では,生物の存在データと環境データを用いて,その生物の生息適地の条件を推定すること,また,その適地条件を用いて,広い範囲でのその生物の生息適地の広がりぐあいを推定し、将来の気候変動に対応した分布予測をしようという試みが行われています.クモでは世界初の試みです。従来の方法(地理情報システムを用いた解析など)では,その生物が生息している地点と生息していない地点のデータが必要でした.現在行われている新しい方法(最大エントロピー原理を用いた解析)では,生息を確認できなかった地点のデータを用意する必要がありません.我々が持っているクモのデータも,「ここで採集した」というものはあっても,「ここでは探したけれどいなかった」というデータはほとんどありません.そのために,たくさんの採集データや標本があっても,いままでの解析ではほとんど役に立たなかったのですが,MAXENTというソフトウェアによって行われる新しい方法では,存在データだけでの推定が可能なので,これまでの採集データ・標本データが推定材料として生きてきます.クモでもこの方法による解析を目指して,これまでにアクタ,アティプス,遊絲,キシダイア,蜘蛛,しのびぐも,に発表されてきた採集データを解析の材料とすべくデータファイルに入力をしてきました.しかし,ここに問題点が発覚しました.解析に用いるためには採集した地点をピンポイント(1km四方)で特定しなくてはならないのですが,採集地点を絞り込めないものが多く,期待したほどには分布データを集めることができなかったのです.そこで,皆さんにお願いしたいのは,先にあげた学会誌や同行会誌に発表していない採集データ,あるいはピンポイントに絞ることができない形で発表しているものの実はピンポイントの採集地点データがあるものについて,この解析にそのデータを使わせていただきたいのです.